ピルの避妊効果

避妊ツールとしてコンドームが使われるのが一般的だったのですが、失敗率が3~12%ほどであり、確実な避妊法とはまだ呼べませんでした。
一方、ピルは毎日服用することで、その避妊率はほぼ100%です。そのため、望まない妊娠を避けるためにピルを服用する方が増えています。
ピルは女性の体内で卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2つのホルモンの分泌を抑制させ、排卵が起きなくする効果があります。
また、子宮内膜を厚くしないで受精卵が着床しにくくしたり、子宮頚管粘液に変化をもたらして精子が子宮に進入するのを妨げる効果も持っています。
これらの相乗効果から、ピルの避妊率は極めて高く、失敗率はわずか0.3~8%という数値が出ています。
また、ピルは「可逆性」という点でも人気があります。これは服用を中止すれば再び妊娠できるようになるという意味で、1年後の妊娠率は94.0%となっています。
アフターピルによる、緊急避妊の効きめ

性行為の若年化に伴って、避妊に失敗したりあるいは避妊の意識すらなくセックスして赤ちゃんができてしまい、安易に中絶手術をする方が増えているのが実情です。
また、コンドームが破れたり、彼氏に急に中出しされてしまったり、レイプ被害などで望まずに膣内射精をされてしまったという経験のある方もいます。
そういった場合には、緊急避妊を行うことが大事です。
アフターピルと呼ばれる種類のピルを性交後すぐに飲むことで、妊娠を回避することができます。
具体的には妊娠するかもしれないというセックスのあと72時間以内にアフターピルを飲むことで90%以上の確率で避妊することができるのです。さらになるべく早期に服用すればするほど、避妊の成功率がもっと高くなります。
毎日の低用量ピルで確実に避妊する

低用量ピルは毎日1錠を服用するだけで、ほぼ100%の避妊効果があります。
アフターピルでの緊急避妊法は72時間以内で90%ほどの成功率ですが、飲む時間が遅くなればなるほど妊娠してしまう確率が高くなってしまいます。
つまり、アフターピルはあくまで緊急の際の避妊薬ということです。
妊娠を確実に回避して避妊したい場合には、やはり日常から低用量ピルを服用しておき、確実な避妊をおこなうことが大事です。
望まない妊娠をして、せっかくできた赤ちゃんを堕胎することは、生まれてくる子供を殺すことと同じです。
特に女性にとって精神的にも肉体的にも大きなショックと苦痛を伴います。
産婦人科に行き、その待合室で自分に宿った子供を堕ろす場面を想像してみてください。耐えがたいことのはずです。
そういったイヤな思いをするくらいなら、低用量ピルを服用して、しっかりと日ごろから避妊すべきです。
病院・産婦人科の先生に聞いても「中絶手術をするくらいなら、何故ピルを飲まないのか」と言われます。
苦痛にあうのは男性ではなく女性です。そのため、女性が「自分の身体は自分で守る」という意識をもつことが、とても大切なことなのです。