ピルの成分

避妊薬であるピルは、女性ホルモンの作用を利用して妊娠を防ぎます。
- このページの内容
- 美肌ホルモン、エストロゲンとは?
- プロゲステロンとは?
ピルの成分は、女性の卵巣でつくられるホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)です。
これらの女性ホルモンは、脳からの指令を受けて卵巣から分泌される物質です。
しかし、ピルを飲むとすでに女性ホルモンが分泌されていると脳が判断し、卵巣にホルモン分泌をさせなくなります。そうすると卵巣は活動を休みますので、排卵が起こらなくなります。
ピルを服用することで、この2つのホルモンを摂取して、排卵してから生理が来るまでの間もしくは妊娠している時と同様の状態を体内に作り出します。
そのため、ピルの服用を続けている間は排卵が起こらなくなり、避妊できるという仕組みになっています。
ピルを飲むのをやめると卵巣の活動が再開して排卵が再び始まります。受精すると当然ながら妊娠することが可能になります。
美肌ホルモン、エストロゲンとは?

女性の体内で作られるエストロゲンとは、女性ホルモンの一種で卵胞ホルモンと呼ばれますが、別名で「美肌ホルモン」とも呼ばれています。
その理由として、エストロゲンが増えると肌ツヤが綺麗になったり、肌の水分量が増えてモチモチ肌になったり、乳房に張りが出たりする作用があるのです。
このエストロゲンの量は、卵胞期:3~20μg/日、排卵期:10~60μg/日、黄体期:8~50μg/日、閉経期:10μg/日以下となっています。
つまり、生理が終わってから次の排卵日の直前くらいまでに分泌量が多くなります。そのため、この時期には肌や髪にハリ艶が出て、気力も充実する時期となるのです。
そして特に妊娠中には胎盤から大量にエストロゲンが分泌されるため、非常に血中内のエストラジオール濃度が高くなります。
ピルを飲むと、美肌になる?
ピルを服用した際に肌がキレイになるというのは、このエストロゲンを摂取することに起因しています。
低用量ピルは、一般的にエストロゲン量が0.03~0.04mgとなっていて、妊娠したときと同じ状況を体内に作りだします。すでに妊娠していると脳が感じることで排卵を停止し、避妊できるようになっているのです。
プロゲステロンとは?

プロゲステロンとは、女性ホルモンの一種で黄体ホルモンとも呼ばれます。
その役割は生理周期を一定にして、妊娠や出産の際に重要な働きをします。
プロゲステロンは、排卵後から生理前に多く分泌されます。この時期に肌が荒れる女性が多いのですが、実はプロゲステロンの働きによるものです。
低用量ピルについてピルを飲んで、ホルモンバランスを改善しよう
プロゲステロンはメラニンの生成を活発にするため、肌にシミやしわ・そばかすが出来てしまうのです。
また、肌を潤す働きもあるのですが、その分だけ水分多寡となりやすく、この時期に肌がむくんでしまうのも実はこのホルモンの仕業です。
とは言っても、生理周期を保つ働きがあるため、プロゲステロン量が少なくなると生理不順が起こり、生理痛の原因となってしまうのです。そのため、プロゲステロンも女性の体調を整えるとても大事な女性ホルモンのひとつです。
ただしピルの服用により、エストロゲンとは逆にプロゲステロン量が多くなりすぎてしまうと肌荒れの原因となります。
つまり、ピルを飲んで肌が綺麗になったという感想や、逆に肌荒れが酷くなったという感想、相反する2つの体験談や口コミがあがっているのは、この2つの女性ホルモンの作用に起因しているのです。
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