高用量ピル
ピルは現在、世界中の多くの国で使用されているポピュラーな避妊薬ですが、ピルにもさまざまな種類があります。
基本的なピルの種類ですが、低用量ピルと中・高用量ピルにわけられます。
高用量ピルとは、含まれる卵巣ホルモン(エストロゲン)の成分量が50マイクログラムを超えるもののことです。ちょうど50μgなら中用量ピル、それ未満だと低用量ピルとなります。
高用量ピルは女性の生理痛が酷い場合や、生理周期のコントロール、無月経や月経困難症の際に病院で処方されます。
副作用が少ない低用量ピル
最近ではよほど酷い症状でない限りは、中用量ピルか低用量ピルが用いられることがほとんどです。
その理由として、高用量ピルは含まれるホルモン量が多く、最近の低用量ピルの約4倍ほどとなっています。そのためどうしても副作用が出やすく、頭痛や吐き気などの症状に悩まされることが多いためです。
低用量ピルについて中・高用量ピルは生理トラブル改善の薬
中・高用量ピルはもともとは避妊薬ではありませんでした。
以前は日本において避妊用の薬としてピルの使用が認められておらず、生理トラブルの改善薬として中・高用量ピルが使用されていました。それを転用して避妊用の薬として仮使用していたのです。
避妊・生理痛の改善には低用量ピルが主流に
現在、ピルは避妊薬として認可され、正式に処方されるようになりました。そして副作用の少ない低用量ピルが研究・開発され、現在ではこの低用量タイプが避妊・生理改善のための薬として使用される機会が増加しています。
中用量ピルは、緊急避妊薬として活躍
高用量ピルほどの副作用もなく、低用量ピルよりも成分の強い中用量ピル。現在は、避妊に失敗してしまった時などの緊急避妊薬として活躍しています。
コンドームの破損、パートナーに避妊を言い出せない、ついつい雰囲気の流されて避妊を怠ってしまった場合、強引にされてしまった時…。
アフターピルには、72時間以内に服用すれば、80%以上の避妊効果があるそうです。
なにかの時のためのレスキュー薬として、手元にあれば安心でしょう。
高用量ピルの効果
高用量ピルも、女性の体内で作られる卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)を主成分とし、ホルモンバランスを整える効果があります。
具体的には生理周期の改善や生理痛の抑制、無月経や月経困難症の改善に効果があります。
高用量ピルの副作用
主な副作用として、吐き気・頭痛・下痢・体重増加やむくみなどがあります。
高用量ピルは女性ホルモンの成分量が低・中用量ピルより多いため、その分の高い効果はあるのですが、逆に副作用もどうしても出やすくなっています。
もちろん個人差があり全く副作用が出ないという方もいますが、高用量ピルを使用する場合には病院・産婦人科で症状等を医師と相談して、高用量を使う必要があるのか、中・低用量で治療できるのかを診断してもらうようにしましょう。
有名な高用量ピルは?
ソフィアCという薬品名の高用量ピルが有名です。
飲み方は、生理不順や生理痛などの生理改善目的の場合や、不妊治療の際には1日1錠を生理周期5日めより服用します。
高用量ピルの注意点
低・中用量ピルと同様に、タバコの喫煙は血栓症を引き起こす可能性がありますので、喫煙している方は禁煙することが必要です。