ピルの副作用

ピルは経口避妊薬です。女性が服用することでほぼ確実な避妊をすることができます。
また、避妊以外にも月経痛の緩和や卵巣がんの予防などにも効果があります。
- このページの内容
- 吐き気の症状
- 頭痛の症状
- 胸が張る
- 体重が太る
- 肌荒れと肌がきれいになる副作用
- ニキビ
- むくみ
- 母乳のように白い液体が乳腺から出る
- 便秘の症状
- 血栓症の危険性
- ピルの副作用にまつわる体験談
ピルを服用することで個人差はありますが、副作用が出る場合があります。
副作用の主な症状は、吐き気・めまい・むくみ・頭痛・乳房の張りなどがあります。
通常は服用開始から1~2ヶ月ほどでホルモン環境が整って症状が治まりますが、もし副作用の症状がおさまらない場合には、無理に服用を続けないで薬の種類を変えてみるなどの対応が必要です。
ピルの成分について吐き気の症状

ピルの副作用は特に中用量ピルやアフターピルにおいて顕著にみられれていました。それが低容量ピルが認可されてからは格段に減少しています。
それでもピルの使用開始1~2ヶ月くらいでは、吐き気を生じる場合があります。頭痛と同様によく見られる症状であり、時間とともに解消していきます。
生理のときに吐き気をもよおす女性がいますが、それと同様です。
注意する点として、嘔吐するとせっかく服用したピルも一緒に吐いてしまい、ピルの効果がなくなってしまうことです。
ピルに慣れるまで、もし吐き気の副作用が出てしまった方は注意するようにしましょう。
頭痛の症状
ピルの副作用の中でも、頭痛は報告例が比較的多い症状です。
ピルに限らずあらゆる薬品には副作用があり、全ての女性に現れるわけではありません。
頭痛は一般的に誰にでも、そしていつでも起こりうる現象であり、必ずしも薬品が原因とは限りません。体調の変化や別の病気が原因で引き起こされている場合もあるため、現状観察と注意が必要です。
ピル服用を開始した初期には、身体がまだピルに慣れていないため、頭痛が発症することがあります。通常は数日~10日ほどで治まりますが、ずっと頭痛が続く場合には体質にあっていない可能性があるため、別のピルに変更することも考慮する必要が出てきます。
胸が張る

ピルを服用していると胸の張りを感じることがあります。これはピルが妊娠中かのような状態を作り出すためです。
ピルに含まれる女性ホルモンが、体内のバランス調整を計るために起きています。
最近使用されている低用量ピルの場合には副作用は大分軽減されていますが、それでも胸の張りなど一定の副作用が起こることはあります。こういった時には胸も通常よりワンサイズ程度大きくなっていることが多く、一定の重苦しさを伴ってしまうのです。
胸が通常よりワンサイズ程度大きくなる体験談や口コミも報告されていて、ピルの効果で「胸が大きくなる」と喜ばれる場合もあります。
体重が太る

ピルを服用中の方の間では、太ることが一つの悩みとなっています。
ホルモンに働きかけるピルは妊娠しているときと同じ状態を作り出しているために、個人差はありますが体重増加を体感している女性もいます。
ピルを飲むことで食欲が高まることに起因しています。
この時期には水分の代謝が悪くなることも太るといった現象を引き起こします。体内にため込んだ水分量が体重にも如実に現れてしまう訳です。こういった副作用は、意識を高めることである程度防ぐことが出来ます。
特に食欲については、出来るだけ食べ過ぎを避ける意識をもつことで体重管理は可能です。
肌荒れと肌がきれいになる副作用
ピルの副作用として、肌が綺麗になったという方と肌が荒れたという反対の意見がたまに見られます。
これはピルに卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類の女性ホルモンが含有されていることが原因なのです。
エストロゲンは美肌ホルモンとも呼ばれていて、女性の肌に潤いを与えたり綺麗にする働きがあります。
プロゲステロンは逆に女性の肌にシミやニキビを生じさせる可能性があるのです。
そのため、プロゲステロンが強く発現してしまうと肌荒れの副作用を引き起こしてしまうのです。
もし肌荒れが酷い場合には、ピルはさまざまな種類が発売されていますので、別の体質にあったピルに変えてみることで改善できます。
ニキビ

ピルを使用している間にニキビが増えた場合には、薬による副作用の可能性もあります。
先に述べた肌荒れに通じるのですが、ピルのプロゲステロンの作用によりニキビが出ることがあります。ピルは人工的にホルモンのバランスを変化させるため、ピルを飲むことでニキビが生じてしまうのです。
ピルを飲むことで一般的には肌の状態が良くなることが多いです。ですが、時にこういったニキビのようなトラブルが起きてしまうこともあります。
ですので、ピルを服用している方の場合には、日頃からスキンケアには気を配ることが大切になると言えるでしょう。
むくみ
ピルの副作用のひとつで、よく例が見られるのが「むくみ」です。
成分であるプロゲステロンは女性が元々もっているホルモンです。
この女性ホルモンは排卵から生理までの間に分泌量が多くなるのですが、この時期に肌荒れやむくみを感じた経験のある女性は多いです。
プロゲステロンは女性の肌の水分量を保つ働きがあるのですが、逆に水分保持多寡になることで、むくみの副作用を発現させてしまうのです。
一時的なもので改善する場合が多いのですが、もしなかなか治らずに「むくみ」が気になる場合には別のピルに切り替えることが必要となります。
母乳のように白い液体が乳腺から出る

低用量ピルを飲んでいる方にまれに起こるのが、乳房からの分泌物です。このような分泌物は透明だったり、母乳のような乳白色をしているのが特徴で、症状の程度や現れ方には個人差があります。
低用量ピルの服用中は乳房の張りや痛みなどの副作用が起こることがあるため、こういった母乳のような分泌物があると特に乳がんなどの病気を心配される方が多いです。
低用量ピルはホルモンに作用し妊娠と同様な状態を作り出すため、時に母乳のような分泌物が出るといった副作用が生じることがあります。
この症状は数日で出なくなる場合がほとんどです。
便秘の症状

副作用として稀にあるのが便秘です。
いつでも誰にでも起こるわけではなく、薬との相性や飲むときのコンディションによって変化があります。
ただし、必ずしもピルが原因というわけではありません。ピルを飲むことへの抵抗感や罪悪感から精神的に疲れてしまい、それで体調を崩して便秘になってしまうこともあります。
便秘は精神的・体調的な原因で起こることがあるため、一概にピルが原因とは判断しにくい症状です。
血栓症の危険性

ピルは血栓症の副作用がでることが稀にあります。
血栓症は血液の中に血の塊ができて、通常は溶けて無くなるものなのですが、それがそのまま血中に残ってしまう症状です。
特にタバコを吸っている女性はこの確率が高くなってしまいます。
そのため、ピルを服用する場合には必ず禁煙することが必要となりますので注意して下さい。
気になる方は毎月とまでは言わなくても、数か月おきに産婦人科で検査してもらうことをおすすめします。
ピルによる乳がんの危険性は低い
以前はピルを服用すると乳癌になるリスクが高くなると言われていて、不安に感じてピルの服用をためらう女性も多かったです。
しかし最近のデータでは、ピルによって乳癌になるリスクは高くないことがわかっています。
乳癌は日本人女性の20人に1人という割合で発病すると言われています。そのため、すでに乳癌になっている人や、過去に乳癌になった経験のある人女性の方は、ピルを服用することによって乳癌が悪化する可能性があるため注意が必要です。
そもそも乳癌は女性がかかる確率の高い病気ですので、ピルを服用する人もしない人も、1年に1度は検診を受けることが大切です。